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採用担当者様
現在の主要な採用活動は母集団形成型の採用です。ナビ媒体を用いて、とにかく沢山のエントリーを集めて、選考を通して、ふるいにかけていくというものです。いわば「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式の選考です。
ナビ媒体や合同説明会といった限られた時間と情報では、求職者は十分な情報を収集することができません。求職者は企業イメージや条件といった、ごく限られた情報のみで選考に臨むか否か、選択するしかありません。つまり、自社を十分に理解せずに選考を受ける求職者が混ざってしまうリスクがあります。
また、これらの母集団に対して選考を行うのは並大抵の作業ではありません。大企業の場合、採用担当を配置できるため、マンパワー上の問題はさほど大きいものではないかもしれません。しかし、人事部を置けない中小企業の場合、面接官は他の部門の方が兼任するのが一般的でしょう。その場合、無作為に集めた母集団形成型の選考と通常業務を並行する担当者への負荷は、相当重いものとなるでしょう。
求職者と企業が接触できるシーンは、ナビ媒体、(顧客向けに制作された)企業Webサイト、説明会、選考となります。これらの媒体から企業を選ぶには、情報が十分であるとは言えません。
そこで採用担当者は、数少ない接触シーンで求職者を口説く場合があります。採用も競争が高まっていますので、企業側からの多少のアピールはやむを得ないでしょう。しかし、大抵の企業は自社を過度に美化して伝達してしまいがちです。たとえ求職者が入社するに至っても、選考時点のイメージと入社後の現実とが乖離しすぎると、早期の退職に繋がってしまう危険性もあります。
「選考で口説く」といった方法は、企業相応にしておかなければかえって早期退職のリスクを伴います。また、自社の都合だけを考えて、無責任に求職者のキャリアを振り回すことは、果たして企業として適切な採用活動といえるでしょうか。
採用活動にも戦略的なマーケティングが必要です。
母集団形成型の採用活動で必要な人材を集めるのは難しくなってきました。
中小・中堅企業が本当に求める人材を獲得するためには、
採用活動においても、戦略的なマーケティングが必要です。
近年、人材の採用が難しくなりつつあります。また、この流れから採用市場は徐々に求職者が有利な「売り手市場」になりつつあります。そのため、従来の「企業が採用する人を選ぶ」といった上から目線の採用活動では、必要な人材の確保が難しくなってきました。
リクルートワークス研究所の調査では、2020年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.83倍とかなり高い数値がでています。この傾向は今後も続く見込みで、人材確保は難しくなる一方です。
これまで採用活動は大手ナビサイトで求人を出稿したり、合同説明会の集客をしたりと、お決まりのパターンがありました。企業はそのパターンの中でしか求職者との接点がないため、いわば取り繕った姿を見せることが容易に可能でした。
しかし近年では、SNSや逆求人イベント、採用サイトなど、求職者と企業との接点が多様化しつつあります。求職者は多様な接点の中で、企業の本当の体質をいち早く見抜けるようになっています。このような状況を踏まえ、企業には一貫性のあるコミュニケーションで自分達の本当の姿を伝える努力求められています。
現在の就職活動は、大手ナビサイトのオープンが3月。そして企業の選考開始が6月です。会社説明会などの、企業から求職者に対する情報発信は、この3カ月に行われる形となります。しかし、こういったルールは半ば形骸化しつつあります。キャリタス就活の調査によれば、2019年5月時点で内定率は51%と、選考解禁前にも関わらず約半数の学生が内定を獲得しているとの結果が出ています。
また、5月時点で就職活動を終了する学生が2割、また内定の6割は1000人以上規模の企業が占めています。これらの数値から、大企業の水面下での動きが活発で、それによって半数の学生が大企業が獲得されていることがわかります。
このような激戦に打ち勝つためには、形式的な期間に囚われず、求職者との接点を作り、素早く人材を取り込む、戦略的な採用マーケティングが必要です。
まずは採用の目的を定義します。漠然と「何名採用する」といった方針ではなく、中長期的な事業戦略を元に、それらの実現に向けて必要な人員数や必要スキルを明確にしていきます。
目的の定義後、求める人物像を設定していきます。採用活動の全ての基準となる最も重要なフェーズです。ペルソナと呼ばれる仮想人格像を策定して、求める人物像を具現化できるレベルまで明らかにできるのが望ましいでしょう。
求める人物像の設定で注意したいのは、「体育会系」「素直」「起業家気質」といった誰しもが欲しい資質を並べてしまうことです。一般的に考えて「素直で気力があって、成長意欲があって、経営者マインドがあって…」という人物とはそうそう出会えません。求める人物像は、自社の採用目的を達成するために必要な人物を、あくまで現実的な目線で策定する必要があります。
求める人物像の策定は、基本的なプロフィールと仕事上の役割から決めていきます。配属される可能性のある部署へ聞き取りを行い、業務内容を把握して、仕事上の役割や必要な資質を明確にしていきます。これによって、入社後の本人と現場のミスマッチを軽減することに繋がります。
求める人物像の働く意義やゴール、目的など内面や心情を把握するのは、早々にできることではありません。そこで私たちが用いる手法として、インタビュー調査があります。社内で評価されている人物や、聞き取り調査に比較的近い先輩社員に対してインタビューを実施し、ペルソナの内面や心情把握の材料として活用します。
ここまでのフェーズで、求める人物像はかなり明確になってきているはずです。しかし、求める人物像の要件を全て満たす求職者を見つけるのは至難の業です。そこで、求める人物像の要件の中でも必ず必要な「Must要件」と、できれば持っていて欲しい「Want要件」を設定し、選考基準とします。
求める人物像が明確になった後は、求める人物像に合わせてコミュニケーション設計を行います。採用マーケティングの各フェーズは概ね下図のようになります。
それぞれのフェーズに合わせて、求職者との接点を得るためのメディア出稿やイベント参加・開催を検討していきます。大切なのは、先のフェーズで策定した求める人物像とマッチしているか?という点です。集客のプロセスでは、つい大手ナビサイトを連想してしまいがちですが、求める人物の性質によっては別の媒体で接点を得られる可能性もあります。
このように採用コミュニケーション設計をはじめ、採用マーケティングでは、常に求める人物像をイメージしながら計画していくことが重要です。
採用コミュニケーションの設計が完了したら、コミュニケーションに必要なSNSアカウントの開設、や各種クリエイティブ・ツールを制作していきます。採用専用サイト、説明会用パンフレットや映像など、求職者との接点で活用するクリエイティブやツールを制作していきます。
また、各種クリエイティブ・ツールにはそれぞれ長所と短所の他に、活きるフェーズがあります。全体のコミュニケーション設計に合わせて適切なクリエイティブ・ツールを選択していきます。
メッセージの内容が求職者に特化されている、求職者専用の採用サイト。比較的幅広い採用プロセスで活きる媒体で、まさに採用活動の母艦といえるツールです。
動画はスピーディに自社の概要を理解してもらえるツールです。また、静止画や文章よりも動きがある分、興味喚起を起こしやすい点もメリットです。説明会のブースで流す、Webサイト上で流すなど、オフライン・オンライン問わず、組み合わせやすい汎用性のあるツールといえます。
印刷物はオフライン上でのイベントで渡すことが前提となるツールです。採用サイトのような、求職者から接触するメディアと異なり、手渡しの印刷物はかなりの確率で目を通してもらえます。また、Webサイトと比べ情報をまとめやすく、より直感的に内容を理解してもらえるのも印刷物のメリットです。
SNSは、本音やリアルを映し出しやすい点が採用マーケティングに活きます。例えば、スタッフがつぶやく一言には採用サイトや印刷物にはない、生の声が感じられます。Instagramをはじめとした画像系のSNSも同様です。カメラマンの指示のもと撮影された広告のような写真よりも、何気なくスマホで撮影されたような写真のほうが、社内の雰囲気をリアルに映し出します。反面、いわゆる炎上と呼ばれる事態にならないよう、使い方には十分注意すべきツールでもあります。
リアルイベントは、社内の雰囲気や風土など、言語化が難しい魅力を直で伝えられる点がメリットでしょう。一度に動員できる求職者に限りがある点は難点ですが、認知・集客といった採用プロセスの前半部分で活きるのはもちろん、不安の解消や動機の強化など後半部分でも大いに活用できる施策です。
採用マーケティングの効果は検証しづらいものです。例えば、目標人数を採用できた場合、短期的には目標達成といえるかもしれません。しかし、入社後短期間で退職されてしまったのでは、本当の意味で採用活動が成功したとは言えません。企業が存続する以上、採用活動は半永久的に持続していきます。どの媒体からどれだけエントリーがあり、どれだけ面接を実施し、そのうち何名が内定、入社に至ったのか。そして、彼らの勤続年数や成果といった情報を総合的に収集し、翌年度の採用マーケティングに活かしていく姿勢が大切と言えるでしょう。
戦略的な採用マーケティングを始めてみませんか?
採用目的の定義、求める人物像(ペルソナ)の策定、各種インタビュー、コミュニケーション設計、など、戦略的な採用マーケティングの計画を立案いたします。
採用戦略に伴い、コミュニケーション設計に準じた各種クリエイティブやツール、イベントの企画・制作を行います。
採用活動に伴う、効果検証、改善提案、各種SNSの運用代行、採用サイトの更新代行など、運用業務とコンサルティング業務を行います。
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