採用サイト制作における原稿の重要性
求職者の動きを理解することで、採用サイトの役割も理解できます。
認知
まず、求職者は大手就職ナビサイトをはじめとした就職情報サイトを活用することが予想されます。あるいは、人材エージェントなどを活用している場合は、エージェントから企業の紹介を受けているかもしれません。このような候補企業を探し出す動きを通して、応募企業を初めて認知する場合も多いでしょう。
なお、ここで勘違いしがちなのが、採用サイトを制作したからといってこの認知フェーズの母集団を形成することは極めて難しいということです。ただなんとなく制作した採用サイトでは、認知フェーズで大きく貢献するのは無理があるのが実情です。(採用サイトによくある5つの勘違いで詳しくご紹介。)
理由としては、大半の求職者は「〇〇株式会社 採用サイト」のように指名検索をすることはほとんどなく、直接採用サイトを閲覧しにくることは稀だからです。仮にそのような動きをする場合は、すでに自社が認知されているか、2回目以降の接点であると考えられます。もちろん、熱心な求職者は「Web制作会社」や「自動車整備工場」のように業態や職種を示すキーワードで検索をかけて、自社を発見してくれるかもしれません。しかし、いずれにしてもこのような初回接点が採用サイトである求職者は、極めてレアケースと考えられるでしょう。
応募検討
応募検討フェーズでは、認知フェーズで接点を得た求職者に対して、自社に興味を持ってもらう必要があります。具体的には、エントリーやカジュアル面談、説明会などの参加を検討してもらうフェーズです。求職者の興味喚起が重要になり、このフェーズから採用サイトが活きてきます。通常、求職者はなんらかの方法で認知した企業についての情報を収集しようと思います。例えば、コーポレートサイトやSNSなど、あらゆる媒体から情報収集しようと思うのが自然です。
一方で、求職者向けに十分な情報を発信している企業はまだまだ少ないのが実情です。つまり、大半の企業は求人情報を記載している就職ナビサイトなどの情報だけでエントリーを増やそうとしている状態です。
大手企業や有名企業、あるいは良い条件を提示できる企業であれば、一定のエントリーは獲得できるでしょう。しかし、中小・中堅企業、とりわけBtoB企業のように一般的に無名とされる企業の場合は、大手企業や有名企業の求人情報に埋もれてしまったり、単純な条件比較で負けてしまったりして、求職者にエントリーを検討してもらえない可能性も考えられます。
このように、大手企業や有名企業でない会社は求職サイト上の単純な条件の比較検討で負けないように、求職者に伝えるべきメッセージを伝える、あるいは求職者のニーズに応える情報を提供してエントリー検討のきっかけを作る必要があります。
これらの情報提供の場として自社の求職者向けの情報を最大限盛り込める採用サイトは、十二分に活躍します。
応募/選考
応募/選考フェーズは、求職者が興味を持った企業にエントリーして選考に進む段階です。あるいは、合同説明会のようなイベントへの参加申し込みの場合もあるでしょう。このフェーズでは面接や試験、説明会を通して、企業と求職者はお互いにスキルや価値観などのマインドがフィットするかを確かめ合います。
このフェーズでは、求職者が例えば合同説明会などに参加しても、ごくわずかな企業情報や業界情報しか得られないことが考えられます。そのため、採用サイトを通じて業界や会社についてのより詳細な情報を提供することが求められます。また、選考に進んでいる場合は、採用サイトを通じてスタッフや社内の雰囲気を掴んだり、インタビューコンテンツなどを通じて自身が働く姿や未来の姿をイメージしたり、面に向けて事前に復習したりするといった動きが予想されます。
内定・入社
内定・入社フェーズでは、主に内定を獲得した後の求職者が内定承諾に向けて、不安を払拭したり、自身の選択に納得したりするための動きを取ることが予想されます。例えば、採用サイトを通じて、評価基準やキャリアパスを確認して自身の望むビジネスパーソンになれるかをイメージしたり、社内やスタッフの雰囲気を再確認したりするほか、代表や会社の価値観、考え方を復習することが予想されます。
もちろん、このような明確なフローにならず、実際には前後したり、グラデーションになったりと求職者の動きは極めて複雑でしょう。それでも、大まかな求職者の動きを理解することは採用サイト制作のコンテンツのアイデア出しに大いに役立ちます。
求職者はそんなに深く考えていない?
もちろん、深く情報収集をせずに就職ナビサイトから「なんとなくエントリー」というアクションを起こすユーザも予想されます。露出が増えれば、これは避けられないでしょう。しかし、綿密に情報収集を行う求職者とそうでない求職者とでは熱量や志望度に大きな違いが出てきます。採用サイトを熱心に見ている求職者は、自社を深く理解しようとする点から志望度も高いでしょう。そのため、ある程度のハードルを設けるようなメッセージをあえて用意することで、志望度の高い求職者に絞り込んだり、自社の求めていない人物を篩いにかけたりすることもできます。
採用サイトにはこのような志望度の高い求職者を集めたり、篩いにかけるなど求職者をスクリーニングしたりする効果も期待できます。
採用サイトは採用活動の旗艦的存在
先で紹介したように、求職者の求職活動は複雑な動きをしますが、採用サイトは認知フェーズや定着フェーズ以外のほとんどのフェーズで関与することが予想されます。また、企業によっては各フェーズごとに求職者に対してさまざまな採用コミュニケーションを取ります。例えば、求職ナビサイトへの投稿、合同説明会や個別説明会、説明会で配布する採用パンフレットなどが挙げられます。これらは有効な採用コミュニケーション手段ではありますが、いずれも限定的な情報提供に留まっており、同期型コミュニケーションでアーカイブ性に欠けています。この中で、採用サイトは常にネットワーク上に存在することで求職者がいつでも参照することができます。また、情報掲載量に制限がないため、求職者の情報ニーズに応えつつ、自社が伝えるべき情報を伝えやすい性質があります。
このように、採用サイトは求職者のあらゆる求職フェーズや採用コミュニケーションに関与し、最も手厚い情報を提供できる、いわば採用活動の旗艦的存在として活躍します。
求職者は求職活動の中で常に応募企業の情報を欲している
おそらくほとんどの方は、自らが求職者として求職活動を経験されたことがあると思います。大手企業や有名企業であれば、おそらくプレスリリース、インタビュー記事、取材記事など、なんらかの情報がネットワーク上に掲載されているでしょう。しかし、中小・中堅企業、とりわけBtoB企業になるとコーポレートサイトがある程度で、求職者向けの情報はほとんど存在していません。
ほとんどの方にとって、転職活動や就職活動は人生でも決して数多くない大きなイベントです。また、一定のストレスやリスクを感じており、「失敗したくない」と考えているであろうと容易に想像できます。
このような状況に置かれた求職者が、ハローワークや大手就職ナビサイトに掲載された限定的な情報だけで無名企業にエントリーするのは、一般的に考えて難しいのです。
大手企業以外は自社が
「知られていない」「選ばれる理由がない」と認識すべき
繰り返しになりますが、お客様の会社が大手企業や有名企業でなければ、まず市場では知られていないと考えましょう。これは一般的なマーケティング活動においてだけでなく、採用面でも同じことがいえます。
求職者は前提として、自社のことを知りません。もし、自社を認知させることができても、他社との違いはおろか、自社の魅力や自社にエントリーするメリットも求職者は分かっていないと考えてください。
まずは自社がこのようなスタート地点であることを認識し、採用サイト制作をはじめとした採用コミュニケーション施策を検討するのがよいでしょう。
自社の基本的な仕事や職種の紹介、どのような意義があるのか、何を目指しているのか、入社することで得られる技能やスキルなどメリットはあるのか、どのような課題を抱えているのか……など、会社のリアルを求職者に伝えるのです。そうすることで求職者は自社を理解し、フィットすると感じてくれればエントリーしてくれます。
そのためには、十分すぎる情報が必要です。したがって、必然的に情報掲載量に制約がない採用サイトが活躍するフィールドとなります。
「ニッチだから」「中小企業だから」という会社こそ
採用サイトに力を入れるべき
お客様から「ウチはニッチな商売だから……」「中小企業だから……」と、半ば諦めのような声を聞くことがあります。しかし、同じく中小企業を営む私たちからすれば、ニッチだからこそ、中小企業だからこそ、採用サイト制作に力を入れるべきだと考えます。
まず、前提として、小さな企業は大手企業ほど一度に多数の人員を集める必要がない場合がほとんどです。母数を集めたいというよりも、「志望度の高い人を数人」あるいは「実力のある人を数人」というケースがほとんどです。
このような、母数よりも志望度やマッチング度を重視するという点では、採用サイトは大きな力を発揮します。
これまで記載してきたように、採用サイトの役割はエントリー母数を増やすことではありません。綿密な情報伝達を通じて、自社にフィットする求職者からのエントリーを増やすことが最大の役割です。
また、求職者の視点で考えるならば、ニッチだからこそ希少性の高い仕事に携われる、貴重なスキルをつけられる、といった見方もできます。企業規模に関しても、業務の裁量や幅といった点を重視し、大手企業よりも中小企業やスタートアップ、ベンチャーといった小規模組織を好む志望者は常に一定数います。求職者の便益という点で自社を見つめなおせば、求職者に提供できるメリットは何かしら見つかるはずです。
このように自社の考えや魅力を今一度棚卸しして、適切に伝えられる採用サイトを制作します。そのうえで一定の認知を獲得できる採用コミュニケーション施策を実施すれば、自社にフィットする方からの応募をある程度集められるかもしれません。
「ニッチだから」「中小企業だから」と諦める必要はないのです。
採用サイトの可能性を
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その他の「採用サイトを知る」メニュー
- 採用サイトの基本を知る
- 制作時の落とし穴

採用サイトの役割のおさらい
採用サイトの最大の役割は良質なエントリー数を増やすこと。
つまり志望度の高い求職者を集めることにあります。