STEP09

Web集客に必要な費用

前の章で自社に最適なWeb集客を見つけることはできましたか?

次に気になるのはWeb集客に必要な費用ではないでしょうか?実はWeb集客の費用は明確に決まっていない場合がほとんどです。媒体により料金体系やルールが異なったり、自社で実施するのか?外部に任せるのか?によっても金額は変わってきます。とはいえ、ある程度の目安が無ければなかなかWeb集客に踏み切ることができないのも事実です。そこで、このページでは、極力中立的な視点でWeb集客にかかる費用をご紹介していきたいと思います。

Web集客にかかる費用の種類

Web集客には様々な施策がありますが、必要な費用の種類は以下のように概ね似通っています。

  1. 広告費そのもの
  2. 外部に依頼する手数料や制作費

広告費そのもの

Web集客にかかる費用のひとつに広告費があります。広告費は広告を掲載する媒体に支払う費用です。広告費の支払いルールは様ざまで毎月一定の広告費を支払う固定月額型。単発で費用を支払う単発型。特定の成果に応じて課金される成果報酬型。広告が表示されることで課金されるインプレッション課金型。広告をクリックされることで課金されるリスティング広告のようにクリック課金型のようなものまで様々です。

外部に依頼する手数料や制作費、コンサルティング料

広告の運用やWeb集客を外部のパートナーに依頼する場合、広告費以外に外部パートナーに支払う手数料が必要になります。たとえば、リスティング広告の運用を外部の代理店に依頼する場合、広告費用の数十%を代理店に支払うケースがほとんどです。また、広告の運用代行だけでなく、改善や新たな施策の提案を受ける場合、コンサルティング料が発生する場合もあります。

主なWeb集客の費用相場

リスティング広告の相場観

広告費:15万円~
手数料:広告費の20%程度

リスティング広告は広告をクリックすることで課金されるクリック課金型の広告です。キーワード単価は1つ1つ異なり、ワンクリック数十円のものもあれば数千円のものもあります。従って、相場観は広告出稿者の市場によって異なると言えます。一般的には市場原理と同じく、人気のキーワードは高騰化しており、人気の無いキーワードは安価なクリック単価になっているケースがほとんどです。

極端に言えば1万円といった超低予算からでも広告は出稿できます。しかし、運用効果の改善をくり返していくためには、ある程度データを蓄積させなければ難しいのが実情です。一般的には最低でも15万程度の予算は必要でしょう。

また、広告の運用を代理店に依頼する場合、手数料が必要です。手数料は会社にとって異なりますが、一般的には広告費の20%程度が相場と言えます。

SEO対策の相場観

広告費:0円
コンサルティング費:15万円~

SEO対策はGoogleやYahooの自然検索結果の上位に自社サイトを表示させる施策です。SEO対策は広告ではないため、広告費は必要ありません。つまり、リスティング広告のようにお金をかければ露出が増える広告とことなり、いくらお金をかけても「確実に上位表示が約束される」といったことはありません。しかし、言い方を変えれば、SEO対策はお金をかけなくても実施できるWeb集客とも言えます。

SEO対策は究極で言えば、ネット上に自身のメディアを持ち、文章を書くことができれば誰でも実施できます。ブログを更新したり、ホームページ上に新しいページの追加することもSEO対策のひとつなのです。

もし、より成功の確率を上げたい、効率よくSEO対策は実施したいという場合には、SEO会社やWeb制作会社などとコンサルティング契約を結ぶのが一般的でしょう。費用は会社によって、異なりますが、15万円前後~からという会社が多いでしょう。

★注意★
もし外部パートナーとSEO対策の提案を受ける場合、SEO会社の選び方には十分に注意しましょう。検索エンジンの仕組みはGoogleの門外不出のノウハウのため、SEO対策には明確なルールがありません。そのため、一時期ブラックハットSEOと呼ばれる禁忌に手を染めるSEO会社が爆増し、Web界隈で問題になりました。現在はそのような会社は減少傾向にあると思われますが、それでも月額費用を支払わせながら、真っ当な施策を行わないような会社は確実に存在しています。

Web集客の費用の相場は気にし過ぎない

前述の通り、Web集客の費用の相場はあってないようなものです。
たとえば、リスティング広告は広告を出稿するキーワードごとに推奨されるクリック単価があります。1クリック数十円のキーワードもあれば、1クリック3000円もするようなキーワードもあります。

固定定額型や単発費用型の媒体も費用は様々です。たとえば、美容系や飲食系の大手ポータルサイトは数十万円といった月額費用がかかります。しかし、ほとんどの店舗ビジネスにはかかせない存在になっています。これはそれだけお金を支払っても掲載したいと思われるほど、成果を得られている証と言えます。

一方で自治体のWebサイトのように月額数万程度で広告掲載が可能な枠もありますが、一般的に見ても効果があるのかはやや疑問が残ります。(もちろん問い合わせ獲得といった直接的な効果以外にイメージ的な狙いもあるかもしれませんが。)

このように広告枠を表面上の額面で判断するのは非常に危険です。いくら安い費用で広告を出せたとしても効果がでなければそれは投資として失敗です。では、Web集客の費用はどのようにして考えれば良いのでしょうか?

1件の顧客を獲得するために使える予算を決めておく

Web集客の費用を主観的な「高い」「安い」で考えてはいけません。
大切なのは「1件の顧客を獲得するために使える予算」を見極めて、費用対効果の高い広告運用を目指すことです。

「1件の顧客を獲得するために使える予算」は、マーケティングの世界でCPA(顧客獲得単価)と呼びます。本格的にWeb集客を行っていくと必ず出てくる言葉ですので覚えておきましょう。また、顧客獲得単価(CPA)は「限界顧客獲得単価(限界CPA)」と「目標顧客獲得単価(目標CPA)」があります。

たとえば、1件の申込で3万円の利益がでる非リピート性の商品があったとします。
このケースの場合、究極に言えば、1件の申込を獲得するまで3万円まで広告予算を使用することが可能と考えられます。これが限界顧客獲得単価です。一方で3万円の利益がでる商材を3万円未満の広告費で販売できれば、それだけ多くの利益を獲得することができます。この利益を出すための目標となる顧客単価が目標顧客獲得単価となります。

これを前提に以下、商材ごとに顧客獲得単価の考え方を見ていきましょう。

非リピート性の単発商材

非リピート性の単発商材の考え方は簡単です。
1件の申込で3万円の利益がでる場合は、3万円が限界顧客獲得単価です。
目標顧客獲得単価は利益を出すために3万円未満が設定されるのが一般的でしょう。

リピート性のある商材

単発商材に対して、リピート性のある商材の場合は、少しだけ考え方が異なります。
たとえば、1回目の申込では3万円の利益ですが、リピート性があり、顧客生涯価値が10万円の場合は、1件の申込を獲得するまで10万円まで広告予算を使用することが可能です。
(もちろん「最悪の場合」という考え方です。)また、美容商材などの場合はサンプル品から本商品への引き上げ率も加味する必要があります。

問い合わせ後の営業フェーズがあるビジネス

物販やEC以外のケースも見てみましょう。
たとえば、1件の成約で100万円の利益が出るコンサルティングビジネスがあったとします。しかし、コンサルティングビジネスの場合、通常はWeb上で申込は完結せずに、問い合わせ後に商談があり、成約に至るという営業フローが一般的です。

仮に商談後の成約率が50%だった場合、2件の商談があれば1件が成約し、100万円の利益を出せることにあります。(厳密にはアポ率もありますが、単純化するため割愛)つまり、1件の商談獲得に50万まで広告費を使うことができます。(100万(平均顧客単価)×50%(商談率)=50万)

このようにビジネスの性質ごとに顧客獲得単価は少し異なってきます。

「目標顧客獲得単価」×「目標件数」が広告費の目安

「1件の顧客を獲得するために使える予算」が明確になりましたら、「目標件数」と掛けてみましょう。たとえば、「目標顧客獲得単価」が3万円。必要な問い合わせ数(申込数)が10件/月だとすると月間広告予算の目安は30万円ということになります。

目標件数については「正しい目標を設定しよう」の章を参照してみてください。

Webサイトの問い合わせ率から広告の成果を予測してみる

Web集客の施策の多くはWebサイトに訪問者を導くことです。しかし、それだけでは成果にはなりません。問い合わせや申込といったゴールに到達させることで初めて成果となります。(このゴールに到達することをコンバージョンと呼びます。)

一般的にWebサイトは商品の購入や申込、お問い合わせなどがゴールに該当します。問い合わせ率はサイトの良し悪しで様々ですが、一般的には訪問者の0.5~2%程度に留まることが多いと言われています。この仮説を前提にすると50~200の訪問者を呼び込めば1問い合わせ獲得できることなります。

つまり、広告を選択する際には、どの程度訪問者が呼び込めるか予測することができれば、「予測訪問者数×0.5~2%」で予想問い合わせ数を算出することができます。予想問い合わせ数が算出できたら、「広告費÷予想問い合わせ数」で1件当たりの獲得単価を算出します。最後に先述した「1件の顧客を獲得するために使える予算」と照らし合わせて採算が合う広告か見極めてみましょう。

たとえば、「1件の顧客を獲得するために使える予算」が3万円の場合。3万円で200程度の訪問者増加が期待できる広告であれば、1件の問い合わせは期待できるため、広告予算としてはギリギリ許容範囲と考えることができます。(とはいえ、正確な訪問者数が事前にに分かるといったことは滅多にないため、あくまで仮説に過ぎません。)

広告を選択する前に自社のビジネスを整理して、平均的な売上や商談率を洗い出し、1件の顧客獲得に使える広告費を洗い出しましょう。広告費をうまく算出できたら、採算の合う広告媒体を探してみましょう。

必要売上が小さく、急がない会社はSEO対策からじっくり取り組む

ここまで広告をメインにして費用や予算の考え方をお伝えしてきました。しかし、中小企業を筆頭に「広告を出すまででもない」「いきなり広告費の予算は取りづらい」「急いでいるわけではない」「広告のように資産化しづらい集客はちょっと…」という企業も多いのではないでしょうか?

そのようにお考えの企業はまずはSEO対策を中心にじっくり腰を据えて取り組むのも良いかもしれません。SEO対策は基本的にコンテンツ(ページ)を制作しなければ実現できません。しかし、一度制作したコンテンツは基本的に消えることはありませんので、資産化していきます。さらにうまく上位表示が達成できれば、自動的に顧客を呼びこんでくれる強力な集客エンジンとなります。

広告出稿に対して二の足を踏んでいる方は、新しいWebサイトやコンテンツを制作したり、既存サイトの見直しなどを行って、SEO対策にチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

いよいよ終盤、Web集客塾の運営者がおススメする
中小企業、中堅企業向けのWeb集客の方法

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Web集客塾を運営するキオミル株式会社はこれまで中小・中堅のBtoB企業を中心に多くのWeb集客をプロデュースしてきました。ご支援の方法は、Web制作からリニューアル、単発のコンサルティングから継続のコンサルティングまで様々です。
お客様の状況やご予算に応じて、現実的なご提案をさせていただきますので、ぜひ一度お気軽にご相談をいただければと思います。