【キオミル定期勉強会レポート】第1回 簡単そうで難しい文章執筆力を向上させるコツとは
2023.11.28
小山田 笑渚
こんにちは! キオミルの小山田です。
キオミルでは、今期は月に1回外部講師をお招きし社内勉強会を開催しています。第1回目の10月はライティング講座とし、記事の編集でいつもお世話になっている水島なぎさんを講師にお招きいたしました。
今回の勉強会のみ2日に分けて行いました。内容や様子をまとめているので、読みながら解きながらみていただけると嬉しいです。
今回の講師
水島 なぎ
「書く・編む・正す ことばのよろず屋」を掲げる、フリーランスのライター・編集者・校正者。1985年生まれ。福井県出身。実用書系出版社の企画編集者として培った編集スキルやディレクションスキルを生かし、紙媒体やWebなど幅広い分野で活動中。正しい日本語、読みやすい日本語、誤解されにくい日本語への提案が得意。
目次
初日は、以下の2点について講義していただきました。
詳しくみていきましょう!
文章のねじれとは、主語と述語が対応していないことをいいます。ねじれが起こってしまうと読み手側に違和感を感じさせ、途中で読むのを諦めてしまうことが多いそうです。
ねじれた文章の例として、キオミルブログの原稿としてなぎさんが実際に編集された、こちらの文章が挙げられていました。一見すると、きちんと文章が書けているなと思いますが、声に出して読むと違和感があるのが分かります。
なぜ主語と述語がねじれてしまうのか? その理由は主に2つあります。
例えば、「〇〇で〇〇だから〇〇です。」のように、文章をダラダラと長く繋げて書いてしまうと、主語と述語が行方不明になってしまうそうです。
また、話し言葉で書いてしまうと主語と述語がねじれやすいので、こちらも要注意です。
「吾輩は猫である。」のように主語と述語が1:1の文章だと、誤解もねじれも起きません。1:1のところに修飾語を加えていくことでだんだんねじれが発生する場合があるので、注意しながら文章を書くことが大切です。
解説の後には、演習もありました。「主語はどれ?」と聞かれたときに、メンバーの大半が指し示した語句が実は主語ではないことが分かると、一同騒然としていました。文章が長くなると、主語と述語が分からなくなることが体感できた瞬間でした。
私は文章を長く書いてしまうタイプなので、このレポートブログも長くしないように注意しながら書いています。(笑)主語、述語がどこにあるのか? 同じ情報が重複していないのか? など、注意するといいポイントをたくさん学べたので、今後も気を引き締めていきたいと思います。
初日の講義の後半は、長い文章を短くするという講義でした。私も文章がつい長くなってしまうので短くするコツがとても気になっていました。
そもそも長い文章はなぜダメなのか? その理由は主に2点あります。
参考文献として紹介されていた『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』という本によると、文章術について書かれた本100冊のうち、なんと53冊に、「長い文章を短くする」という主旨の内容が記されていたそうです! びっくり…..!
また、一文あたりの読みやすい文字数は25~50文字、多くても70文字前後が理想的とのこと。ただし、専門用語が長い場合などは長さが変わってくるので、あくまでも目安だそうです。ターゲットの知識レベルによっては、100文字前後になることもあります。
大切なのは、「一文一義」を意識することです。一つの文章でたくさんのメッセージを伝えるのではなく、一つの文章で一つのメッセージだけを伝えることで短くて分かりやすい文章になります。目安として、WordやGoogleスプレッドシートなどのドキュメントツールで入力したときに、2~3行を超えると文章が長く感じるということも教えていただきました。※設定によってまちまちなので注意も必要です。
短い文章の例としてキオミルブログの公開済み記事から抜粋されていました。
このような例をみてみると、たしかに分かりやすい! 「」(かぎかっこ)などで工夫すると読みやすくなるなど、ちょっとしたポイントも教えてくださいました。
例として挙げていただいた文章のなかには、自分の文章もありました。活用できていたと実感でき嬉しかったです。
次に文章を短くするポイントを教えていただきました。
一つ目は、「~だが、」「~ので、」などの接続助詞で文章を区切るということです。これらは話し言葉からきたものだと覚えておくと分かりやすいと教えていただきました。
二つ目は、修飾語を増やせば増やすほど文章が重くなってしまうので、削ることを意識することです。一番伝えたいのは何か? 例えば、「かっこよくいきたい」など自分がどういう文章を書きたいのかで判断することが大切です。そして、意味が重複している言葉にも注意し、どちらかを削ったとしても意味が通じる場合には削ることも検討しようと教わりました。
三つ目は、指示語を使って文章を区切り短くする方法です。この方法は、修飾語が多い場合に使用できると教えていただきました。指示語はすごく便利ですが、「あれ、それ、これ」が多すぎるとどれを指しているのか分からなくなってしまいます。使い過ぎには注意し、直前にある文章にのみ使うことが大切です。
解説の後には、演習もありました。最後の演習はとても難しく、キオミルメンバーの回答もさまざまでした。
文章の大切さ、言語化がとても難しいと改めて実感しました。ライターさん同士の議論を聞いていると、正しい文章を書くだけでなくさらに上のことを話しており、追いつきたいなと憧れを持ちました。演習をやっていくにつれ、「この切り方、変え方もいいかも」と別の回答が出てきて、文章の正解はひとつではないことを学びました。印象付けたいのはどこか? を考えることでより良い文章になっていくことを実感できました。
勉強会1日目を終えて、キオミルメンバーからはさまざまな感想が寄せられました。
このように、
が感想で多く挙げられていました。
私も文章を書くことが苦手なので、すぐ改善できることがありそうでとても嬉しかったです。文章が長いなと感じたら、なぎさんにいただいた資料に立ち返ってあらためて見直すのもいいなと思いました。
2日目は、以下の2つについて講義していただきました。
PREP法とは文章構成法のひとつです。プレゼンテーションや記事、ビジネスメールを書くときに使える方法で、シンプルに分かりやすく書けます。メリットとして、説得力のある文章を書くことができ、相手に伝わりやすくなります。逆に、PREP法の構図に当てはまらない文章は要点をきちんとまとめていないので「余分な文章かもしれない」ということが分かります。
PREP法の例として、次の2例を紹介していただきました。
無口なWebサイトは成功しない
https://kiomiru.co.jp/blog/direction/taciturn_website/
2日目の演習は1日目と違いディスカッション形式で、次のブログ記事の構成をどうするかという課題をメンバー一人ずつ一緒に考えてました。
私も「勉強会のレポ記事もPREP法でいけますかね?」と質問してみたのですが、それはまた違う方法で書いたほうがいい!と教えていただきました。勉強になります!!
また、PERP法で構成した文章の中に、1箇所でいいから自分の主観を入れると、その人らしさが出るそうです。実際にキオミルメンバーのブログにも「余談ですが」という箇所があり、その人らしさがあります。「らしさ」を出していくと、文章がよりよくなることを教えていただきました。この話を聞いて、たしかにちょっと余談を加えると共感しやすく読みやすい記事になるなと納得しました。
耳より情報として、AI文章作成ツールのコラムもありました。ChatGPTはPREP法などの文章構成法と相性が良いということで、例として、骨子を実際に作成したものを見せていただきました。ChatGPTも意外とブレることがあるので、最初にプロンプトとして「PREP法とはどういうものか」を詳しく説明して入力してあげます。また、作成された結果を使うときも注意が必要で、特に最後のPとRについては少し自分でテコ入れしないと読み手にうまく伝わらない可能性があるとのことでした。
PREP法にまとめるだけで一気に書きやすくなるということを演習で知れて、とても良かったです。AIと組み合わせることで自分の懸念点をまとめて解決できるのは、すごいことだと思います。しかし、AIではなく人間にしかかけないことはまだまだたくさんあるので、そこに力を入れつつAIに助けてもらおうと思いました。
2日目の講義の後半は、推敲についての講義でした。まず、推敲と校正の違いを教えていただきました。
校正の目を養うことで、「自分がミスしやすいところはここだな」と見抜けるようになります。まずは、自分の書きやすいように最後まで書き切ります。校正の目があれば、読み返すときや次回書くときに間違いやすいポイントに注意できるので、文章力がレベルアップします。
最後はクイズ方式の演習でした。実際の演習問題の一例をご紹介します。
①「数字」「単位」の周辺
例えば、日付と曜日はカレンダーを見ていても間違いやすいポイントです。
また、値段まわりの数字も厄介で、慎重に見ないといけないことがこちらのスライドでよく分かります。
②「固有名詞」「慣用句・ことわざ」の周辺
こちらも結構ありがちなミスです。実際にキオミルの「オ」を「ヲ」にしてくる方もいるそうです。お名前などを間違えてしまうととても失礼なので、送る前にしっかり再確認することが大切です。
③「という」「こと」「~ていく」「~てくる」
「という」「こと」「~ていく」「~てくる」はできるだけ削る語句です。ただし、どうしても使いたい場面など、削れないときは語順を入れ替えて対応するという方法もあります。
こちらは、「こと」が続いている文章の例です。語順を入れ替えたり、「〜しましょう」に変更したりと、伝えたい内容に合った方法で改善します。
「~ていく」「~てくる」は、文法では「補助動詞」といい、時間経過を説明するときに使うことが多いです。これは話し言葉の影響で、そのまま書いてしまうと多くなってしまうそうです。
こちらは地味に分かりづらい間違いばかりだったので、「難しい!」とメンバーも苦戦していました。
日常生活から気をつけて、校正の「目」を養うのが大切だと感じました。私の文章は話し言葉になりやすく、特に「〜こと」はよく使うので、今後は注意して編集していきたいです。
勉強会2日目を終えて、キオミルメンバーからはさまざまな感想が寄せられました。
私自身も、難しいと感じている部分をしっかり丁寧に説明していただいたので、「ここを注意すればいいのか」というポイントがすぐ分かるようになりました。
また、最後に締めくくりとして話してくださったポイントも印象的でした。
テキストコミュニケーションは得意になって損はないそうです。短い文章の練習に最適なのはSNSと教えていただいたので、ポストをがんばっていこうと思いました。今は全然投稿できておらず練習の時間を失っているので、意識して投稿したいと思います。
2日間の勉強会を通して、文章を作る基礎から実際に記事などに落とし込むところまで、みっちり分かりやすく教えていただきました。実際のブログ記事から難しいだろうなという箇所を取り上げて、勉強会の議題にしていただいたのかなと考えるとすごくありがたいです。「文章を短くする」の講義でなぎさんの校閲例を見ながら、「少しずつ区切れば主語述語も見えてくるし分かりやすい文章になるんだ」と気づき、勉強会中にすごく楽しくなりました。私は声に出しながら読んでも「なかなか良い!」と思ったらそのまま走り出してしまうのですが、それも注意しながらブログに取り組んでいきたいと思います。また、2日目のPREP法では、「この構図に当てはまらないものは余計な文章」というのがすごく胸に刺さり、なるほどと思いました。最後の質疑応答タイムでも、質問した際に優しく答えてもらい、すごく良い時間になりました。
お忙しいなかで資料作成など負担が多かったと思いますが、なぎさん本当にありがとうございました。2日間ともとても有意義な時間を過ごすことができました。
来月の勉強会レポートもお楽しみに〜!
今回の講師
水島 なぎ
「書く・編む・正す ことばのよろず屋」を掲げる、フリーランスのライター・編集者・校正者。1985年生まれ。福井県出身。実用書系出版社の企画編集者として培った編集スキルやディレクションスキルを生かし、紙媒体やWebなど幅広い分野で活動中。正しい日本語、読みやすい日本語、誤解されにくい日本語への提案が得意。
この記事の執筆者
小山田 笑渚
2002年生まれ。山梨県出身。高校時代に趣味でアイドルのポスターをデザインしているうちにデザインを仕事にしたいと考えるようになり、専門学校に入学。先輩と距離が近く、成長できる環境を求め、キオミルに入社。ライブとお酒飲みながらお話しする場が生きがい。
この記事の編集者
水島 なぎ
1985年生まれ。福井県出身。「書く・編む・正す ことばのよろず屋」を掲げる、フリーランスのライター・編集者・校正者。実用書系出版社の企画編集者として培った編集スキルやディレクションスキルを生かし、紙媒体やWebなど幅広い分野で活動中。正しい日本語、読みやすい日本語、誤解されにくい日本語への提案が得意。
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