仕事術

先輩に質問するのが苦手な後輩(私)が実践している3つの解決方法

2024.05.29

小山田 笑渚

小山田 笑渚

こんにちは!キオミルの小山田です。

私と同じく会社で「後輩」という立場にあるみなさん、先輩に質問しづらいなと感じることはよくありませんか?

私はあります。月日が経っても、この問題はなかなか解決しにくいものですよね。

私は3年前に日本電子専門学校Webデザイン科に入学し、企画、コーディング、プレゼンなど、Web業界で働くにあたって必要な基礎を一通り学びました。1年前には、キオミルに新卒入社し、現在は下層デザインやキオミルブログのアイキャッチ制作など、デザインに関わる業務を担当しています。まだまだデザインのスキル不足を感じており、悩んだときには先輩に相談させていただくこともあります。2年目になった今もどんどん成長中です!

この記事では、そんな私が経験した「先輩に質問しづらい状況」に対して、私がやっている解決方法をご紹介します。

最後には、後輩に対する思いを実際に先輩に尋ねてみたインタビューも載せています。後輩の目線はもちろん、先輩の本音が聞ける記事となっていますので、ぜひ共感しながら最後まで見ていただけると嬉しいです!

質問しづらい状況とは?

先輩に質問しづらいと感じているとき、後輩は何を感じているのか?
まずは、そこを自分の中で考えてみました。
自分なりに状況を振り返ってみたところ、大きく分けて3つの状況が挙げられました。

  • 先輩を見ているととても忙しそう
  • 質問というより意見を聞きたい、議論したい
  • 遠慮しすぎで自分をさらに苦しめていた

それぞれ、詳しく説明していきます。

先輩を見ているととても忙しそう

まず前提として、質問を受けていただくというのは同時に先輩の時間をいただくということになります。

だから、「今、質問をして邪魔したら迷惑だろう」と感じてしまうことが多々あります。その日のスケジュールを見ても、先輩のタスクが詰まっていそうでわざわざ時間を確保してもらうのは申し訳ない……など、先輩の状況が分からないので遠慮してしまいます。遠慮ばかりして、自分の納期に焦っているのがいつもの日常です。

質問というより意見を聞きたい、議論したい

デザインを制作していると、誰かの意見を聞きたくなる場面は多々ありますよね。私自身も、根本的なことに対して「私はこう思ったのですが、先輩はどう思いますか?」と、意見を求めたくなることがよくあります。単に質問したいというよりは、深く議論したいので、時間をとらせてしまうから声をかけにくいなと思ってしまいます。

遠慮しすぎで自分をさらに苦しめていた

こちらは上の2つにも関連していますが、結局、遠慮しすぎて自分が苦しい状況になってしまうことは少なからずあります。キオミルではリモートワークがほとんどのため、相手の様子が見えません。話しかけていいタイミングを待ち続けて定時になってしまい、その日のうちに解決できなかったということもよくあります。その繰り返しで納期が迫り、「やばい」が脳内に延々とループする状況になってしまうのです。

質問しづらい状況に対する解決方法

ここからは、質問しづらい状況のときに、私がどのように改善しているのかをご紹介します。

1、アポ取りをしておく

先輩が忙しそうで状況が分からないとき、私はよくアポを取り、時間を空けていただくようにしています。お店などにある順番待ち予約と同じですが、具体的な細かい時間までは提示せず、おおまかな時間でアポを取るようにしています。例えば、「お昼休み明け」「明日の朝イチの時間帯」という感じです。

おおまかな時間でアポを取る理由は、先輩の都合が良い時間に合わせたいからです。先輩もお忙しいなか時間を空けていただいてることを忘れず、わざわざお時間を空けていただくのだという心構えでアポに臨みます。

アポの時間までは、自分で「まだどうにかなるのでは?」と追求し直すようにしています。もちろん自分で解決できれば一番良いですが、解決までは至らなくとも、少しはひらめきがあるはずです。

2、複数の質問をタスク化して事前に投げておく

時間をいただいて1つの質問に対する回答をもらっても、またすぐに別の質問が出てくるということはよくあります。その都度先輩に質問していては、とても効率が悪く、先輩にも迷惑がかかってしまいます。

そこで、まとまった時間でいくつかの質問に答えていただけるように、質問をタスク化して事前に投げておくように心がけています。そうすれば、先輩も「こう答えればいいな」と見当をつけて回答できるので、時間短縮になります。

さらに、OKまたはNGで回答できる質問の形で投げれば、テキストだけで回答していただけるので、なおいいと思います。

先輩の意見を聞きたい場合は、「私はこう思っていますが、先輩の意見をお聞きしたいです」という感じで、アポを取るときに記載するようにしています。

質問の仕方については、こちらの記事も参考になりました。

こ新入社員が上司や先輩に質問するときに気をつけるべきこと4選

シゴトもアソビも人の輪

3、自分で解決できないかさらに追求してみる

以前、先輩に質問した際に、「自分で考えてみた?」と言われたことがありました。そのときは、たしかにまだ考えが浅く、深く考えられていなかったなと気づきました。質問する前に、まずは自分で解決できないかさらに追求するための方法として、私が実践している2種類の方法をご紹介します。

別の考え方をしてみる

先輩に「考えてみたら?」と言われたときにハッとしたのが、自分は1つの考え方しかできていないということでした。今考えているものをベースに考え直すのではなく、一度その考えを捨てて、ゼロから考えてみると、新しい気づきがあります。別の考え方をしてみた結果、なおさら分からなくなってしまうこともあるかもしれません。しかし、複数の考え方があれば質問を解決する手がかりになるかもしれないので、この考え方になった経緯も含めて先輩に質問するようにしましょう。

少し時間をおいてみる

いろいろなことを考えていると、頭の中が爆発寸前のようになってしまうことも多いです。そのようなときは、半日寝かせてみる、1日寝かせてみることが大切です。時間をおいてみることで、脳がリセットされ、新しい考えが出てきたり、新しい発見があったりするのでおすすめです。この方法は、アポを取る前にやるのがよいと思います。

会社に「出社」するようになり、質問しやすくなった

キオミルでは昨年末まで、新型コロナウイルス感染症対策としてフルリモート勤務をしていました。現在は、遠方・時短・パートタイムを除くメンバーが週2回出社する、ハイブリット型になりました。
対面だと相手の状況が分かるので、「〇〇さん、すみません。今お時間ありますか?」などの声かけができるようになりました。
気軽に質問はできるようになりましたが、前述の解決方法はきちんと守りつつ、短時間で終わるように心がけています。
出社すると雑談の流れで先輩たちと少し話せたり、家よりも集中して作業できたりして、出社することの良さをすごく実感しています。出勤と退勤で気持ちの切り替えもできるので、しっかりと業務に集中できるのも良いなと思っています。

【インタビュー】後輩の質問の仕方について、先輩はどう思っているのか?

先輩デザイナーである難波さんに、「後輩の質問の仕方についてどう思っているのか」をインタビューさせていただきました。質問しづらいな、と日々感じている「後輩」の立場のみなさんにとって、先輩が実際にどう感じているのかを知っていただくヒントになると思います。

アドバイスを違う場面で実践してくれているのを見ると感動する

小山田「本日はお忙しいなかありがとうございます!さっそくですが、『後輩の、この質問の仕方は良かったな~!』と感じるエピソードがあれば教えてください!」

難波さん「質問を受けて回答やアドバイスをした後、伝えたことを素直に実行してくれているのを見ると嬉しいです。」

小山田「『素直に実行してくれる』とありますが、具体的なエピソードは何かありますか?」

難波さん「たとえば、デザインに関する相談は明確な正解があるわけではありません。そういう時は、私がデザインで苦しんだ時の突破方法や、参考サイトの探し方など、やり方や考え方をアドバイスすることが多いです。後日、困った時にすぐに聞かずに教わった方法を真似て実践しようとしてくれているのを見ると嬉しいです。先輩側だって、あの教え方で良かったのかな?って日々自問自答しているので(笑) 受け取ってくれた感覚があると、次はもっと力になりたいやと思います。」

空気を読みすぎるのは逆にNG

小山田「ただ、後輩の立場だと『忙しそうだから聞きづらいな』と遠慮してしまうことがよくあるんですよね。先輩の立場だと、実際はどう思われますか?」

難波さん「たしかに、よく『忙しそうだから聞くのを遠慮してしまう』という声を聞きます。これに関しては、聞きづらい雰囲気を出してしまっているのかな……と、先輩という立場で純粋に反省する気持ちが一番に来ますね。しかし、仕事をしているので基本的には忙しいわけで、先輩が空くまで、と思っていると、質問できるタイミングがなかなか見つからないのではないかな?とも思います。」

小山田「私も経験があり、先輩の空き時間を待っていても何もできず期限がせまり自分が苦しくなるということがありました。」

難波さん「わからないことを聞くのは全く悪いことではないし、『人の時間をもらう=迷惑をかける』という解釈は間違っていると思います。むしろ業務を進める上で不明点があれば聞くべきだし、不安なら頼るべき。相手の時間を無駄にしてはいけないという気遣いは素敵ですけどね。でも、その気遣いが求められるのは後輩から先輩に聞く場合に限ったことではないと思いますよ。立場や年齢関係なく、誰かに時間をもらう上での配慮の話かなと。聞きたいことや相手に求めるアクションを明確にしてから質問するなど、最低限の配慮ができていれば変な遠慮は不要だと思いますよ。」

オープンすぎる質問はなるべくしないようにしよう

小山田「できるだけお時間を取らせないように質問したいのですが、どんな風に質問すると答えていただきやすいのでしょうか?」

難波さん「まず、質問内容によってはじっくり時間を取って話した方が良い場合もあるので、時間を取ることが一概にNGとは言えないというのが前提。その上で、”無駄に”時間を取ってしまう質問に共通するのは、背景や意図がわからないものだと思います。たとえば「このデザインに意見もらえますか?」とだけ聞かれても、プロジェクトの背景もわからない、何を相談したいのかもわからない、いつまでにやれば良いのかもわからない……。何から確認しようかなと頭を使うので、すぐに打ち返せないんですよね。こういうオープンすぎる質問は、簡潔なようで、逆に相手を困らせてしまいますよね。」

小山田「そうなんですね! できるだけ簡潔に質問したほうがいいのかと思っていました」

難波さん「情報が少ないと『質問に答えるための質問』を繰り返すことになるので、お互いの時間を浪費してしまいますね。気を遣いすぎなくて良いとは言いましたが、具体的に何が聞きたいのか、相手にどうしてほしいのかは少し整理して伝えた方がスムーズに進むことが多いと思います!」

小山田「たしかに!簡潔すぎる質問は、逆に時間がかかってしまうんですね。先輩のお時間を取らせないようにしたくて、あえて簡潔にしていました」

難波さん「『自分が何がわからないのかすらわからない!助けて!』という状況もありますよね。そういう時は素直にそう伝えれば良いと思いますよ!自分の状況と相手に求めるアクションがわかれば明確であることが重要だと思います。『今日中に提出する必要があるのに完成しない! 先輩助けて!』という状況なのか、『いったん全体の方針の意見をもらいたい』という程度なのかによっても、答え方や時間の作り方が変わります。例に挙げた『もう何から相談したらいいかすらわからない』という状況なのだとわかれば、少しまとまった時間を確保してフォローしようと判断できます。繰り返しになりますが、状況によっては具体的な質問にまとまっていない相談もOK。ただ、質問の意図がフワッとしていると、欲しい答えをもらえずに時間だけが過ぎてしまいますね。」

自分でハンドルを持つようにしよう

小山田「ほかに、質問するときに気を付けたほうがよいことはありますか?」

難波さん「期限の切り方かな?質問される時、『お時間があるときで構いません』と添えられることがたまにありますが、これは誤った気遣いかなと思います。原則『いつまでに教えてほしい』など、期日を切るようにした方が良いです。理由は先ほども言った通り、回答する人に判断を委ね、考えさせてしまう聞き方だからですね。自分の業務遂行のために力を借りる必要があるならば、そこは自分でハンドルを握って、いつまでに回答してほしいと要望して良いと思います。(難しければこちらから時間の相談をするだけですし)」

オンラインよりもやはり対面の方がやりやすい

小山田「たしかにこれまで、質問するときに遠慮してしまうことが多かったです。でも、出社するようになってからは、たまたまですが難波さんと席も近いこともあり、前よりも質問しやすくなりました」

難波さん「そうですね。ハイブリット勤務が始まり、週2で出社していますが、やはり対面だとコミュニケーションが取りやすいなと実感しています。テキストのやり取りはやはり難しいです。テキストは、相手にどう捉えられるかわからないので、要らぬ気遣いが生じがちかも。」

小山田「私もそう思います! 文章で書くよりも、対面で『お時間いいですか?』とすぐに聞ける環境は、とてもありがたいです。お忙しいなかインタビューに答えていただきありがとうございました!」

最後に

この記事は、後輩の立場である私目線で書いたので、同じく後輩の立場にあるみなさんには共感していただける部分も多いのではないでしょうか。今回、インタビューで先輩側の意見を聞くことができ、改善点を見つけるよいきっかけにもなりました。

これからも、機会があれば積極的に質問していこうと思います。もちろん、貴重な時間をいただいているんだということを忘れずに、いろいろと工夫していくつもりです。

今回も話題に上がった、リモートワークでのコミュニケーションの課題について記載した記事もありますので、あわせてご覧ください。

リモートワークでも生産性を上げるコミュニケーションのコツとは?実際の作業環境もご紹介

この記事の執筆者

小山田 笑渚

小山田 笑渚

2002年生まれ。山梨県出身。高校時代に趣味でアイドルのポスターをデザインしているうちにデザインを仕事にしたいと考えるようになり、専門学校に入学。先輩と距離が近く、成長できる環境を求め、キオミルに入社。ライブとお酒飲みながらお話しする場が生きがい。

    この記事の編集者

    水島 なぎ

    水島 なぎ

    1985年生まれ。福井県出身。「書く・編む・正す ことばのよろず屋」を掲げる、フリーランスのライター・編集者・校正者。実用書系出版社の企画編集者として培った編集スキルやディレクションスキルを生かし、紙媒体やWebなど幅広い分野で活動中。正しい日本語、読みやすい日本語、誤解されにくい日本語への提案が得意。

    ことばのよろず屋

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