BtoBのWebサイトとBtoCのWebサイトの違いとは?BtoBサイト制作で意識したいポイントもご紹介!
2023.11.13
橋本 祐典
こんにちは!キオミル株式会社の橋本です。今回はBtoB向けのWebサイト制作について、実例を元にBtoC向けのWebサイトと比較しながら、異なる点や制作する際のポイントをご紹介します。
BtoBとは、Business to Businessの略です。つまり、企業同士でサービスや商品を取引するビジネスモデルです。
その他にも下記のようなビジネスモデルが存在します。
BtoCは、Business to Customerの略です。企業が一般消費者に対してサービスや商品を提供するビジネスモデルです。
BtoEはBusiness to Employeeの略です。社内販売用のECサイトなど、企業が従業員に対してサービスや商品を提供するビジネスモデルです。
BtoGは、Business to Governmentの略です。電子入札サイトなどのように、企業が行政(国)に対してサービスや商品を提供するビジネスモデルです。
CtoCは、Customer to Customerの略で、個人間取引ともよばれます。フリマアプリなどのように、消費者が消費者に対して商品やサービスを提供するビジネスモデルです。
キオミルはBtoB向けのWebサイト制作を多く手掛けているため、リアルな情報をお伝えできます。この記事では、
など、私自身が実際の制作のなかで意識しているポイントをご紹介します。
これからBtoB向けのWebサイト制作に携わる予定のある方はぜひ参考にしてみてください。
BtoBのWebサイトとBtoCのWebサイトについて、次の4つの点に注目しながら、具体的に異なる点や制作のポイントをご紹介します。
Webサイトの目的のひとつとして、サービスの導入や商品購入などのCV(コンバージョン)の獲得があります。BtoBのWebサイトもBtoCのWebサイトも、このCVの獲得が目的となることが多いです。しかし、同じ目的でも下記のような違いがあります。
BtoBのWebサイトの場合、そもそも企業向けの商品やサービスなので、高価格帯になる場合が多いです。そのためWebサイト内で購入や導入まで完結するのではなく、お問い合わせまでを行います。実際の購入や導入にあたっては、打ち合わせ等をしたうえで最終的に決定されることが多いです。
一方、取り扱う商品やサービスにもよりますが、BtoCの場合は比較的低価格帯になる場合が多いです。そのため、Webサイト内で最終的な購入や導入まで完結することが多くなります。
つまりBtoBのWebサイトとBtoCのWebサイトでは、目的は同じCVであっても、発生するタイミングが異なるということになります。
BtoBのWebサイトは、検討段階でのCVを目的とします。そのため、まだサイト内の情報で比較検討しているだけの場合や、相談の申し込みまでは考えていない場合が多く、CV自体のハードルが高くなります。多くの情報入力やお申し込み後の営業対応等も、見込み顧客にとってはネガティブな要因になります。
その対策として、お問い合わせ先と直接的なやり取りが発生しない資料請求やチャット機能などハードルの低いCVを設定しておくと、気軽にお申し込みしてもらえる可能性が高くなります。
実際に担当する案件でも資料請求の設置をご提案させていただく機会が多いですが、ダウンロード資料のクオリティには注意が必要です。
資料をダウンロードしてもらっても、「この資料には求める情報が載っていないし、デザインもイマイチ。何となくここじゃない気がする……」と思われてしまっては、せっかくのCVが台無しになってしまいます。
資料ダウンロードを用意する際には、Webサイト同様に、内容やデザインについても検討することをおすすめします。
BtoBのWebサイトとBtoCのWebサイトには、CVに至るまでの判断基準について、下記の違いがあります。
BtoBのWebサイトの場合、見込み顧客は
「このサービスを導入したら本当に業務環境が改善されるのか?」
「信頼できる企業が運営しているサービスか?」
といったことを考えます。ユーザーが所属する企業や事業部にとってメリットがあるかという、客観的で理性的な形で判断します。
一方でBtoCのWebサイトの場合、
「今度のお出かけはこれを着ていきたい!」
「期間限定だからとりあえず買ってみよう!」
など、個人的な趣味や思考に基づき、主観的かつ感情的に判断します。
つまり、BtoCのWebサイトの場合は衝動的なCVが多いのに対して、BtoBのWebサイトの場合は商品やサービスはもちろん企業情報などさまざまな情報を吟味したうえでCVが発生します。
BtoCサイトの場合は、直感的な印象や感情的な心理状態がCVに直結するため、ビジュアル優先のWebサイトにすることで一定の効果があります。インパクトのある独創的な写真、斬新なアニメーションなど、見込み顧客の興味を惹きつけるビジュアル要素が重要となります。
一方で、BtoBのWebサイトを訪問する見込み顧客は、商品やサービス以外にも企業情報などさまざまな情報を網羅した上で最終決定を行います。そのため、BtoBのサイト制作においては「ユーザーが求める情報が整理した状態で網羅されているか」「目的の情報にストレスなく到達できるか」という2点を重視しています。ビジュアルとしても、信頼感や誠実性といった印象を与えられる堅実なデザインが最適です。
もうひとつの対策例として、ユーザーに寄り添ったコンテンツを用意するのもおすすめです。例えば、シャンプーのWebサイトでもBtoCとBtoBではユーザーに刺さるコンテンツは異なります。参考例として「例えばこんなコンテンツがユーザーに刺さるのでは?」というものを考えてみました。
【BtoC|女性向けおしゃれなシャンプー】
【BtoB|サロン向けの高品質なシャンプー】
少し極端かもしれませんが、BtoCではプロダクトがメインとなるコンテンツ、BtoBではユーザーがメインとなるコンテンツが多いです。そのため、「ターゲットが求めている情報は何か」という視点からコンテンツを作成するのがよいでしょう。
Webサイトで使用するコピーや文章についても、企業向けということを意識する必要があります。BtoCのWebサイトでは、どちらかというと感情に訴えかけるような情緒的なコピーや文章を作成することが多いです。一方、BtoBのWebサイトではあくまでサービスの良さなどを明確化する必要があるので、ライティングにおいては論理的なコピーや文書を作成する必要があります。
また、商品やサービスの特徴や強みなどをコンテンツ化する場合には、比較検討対象であることを意識して、「他者との違い」や「自社の独自性」を訴求するのがよいでしょう。
BtoBのWebサイトとBtoCのWebサイトでは、最終的な意思決定において下記の違いがあります。
BtoCの場合は個人がその場で意思決定できるのに対して、BtoBの場合は各担当者の承認を得る必要などがあります。そのため商品やサービスのターゲット層だけではなく、承認プロセスの中にいる多様な性別や年齢のユーザーがWebサイトを閲覧する可能性が高くなります。
前述の通り、BtoBのWebサイトの場合は社内の承認プロセスの中で、さまざまなユーザーが訪問します。
例えば、
など、性別、年齢、立場が異なるさまざまな方が想定されます。そのため特定の年代に深く刺さるデザインではなく、誰もが見やすく使いやすいサイトを意識してデザインするのがよいでしょう。
業務の一環としてサービスなどを調査する場合、多くの方は会社のPCで調査することが多いです。
最近ではスマートフォンでのWebサイト閲覧の割合も非常に高くなっていますが、BtoBのWebサイトの場合はデザインや実装の仕様をPCベースに設計する必要があります。
もちろん、商品やサービスの特性などによってスマホでの閲覧が多い場合もあります。可能であれば、GA4などの計測ツールを使用して比率を確認しておくとよいでしょう。
サイト訪問からCVまでにどれだけの時間がかかるかを、リードタイムといいます。BtoBのWebサイトとBtoCのWebサイトのリードタイムには、下記の違いがあります。
BtoCが個人の意思決定なのに対して、BtoBは組織の意思決定になるため、その分リードタイムは長くなります。
リードタイムが長いということは、言い換えると比較検討される時間が長いということです。そして、比較検討される時間の中で検討度も変わっていきます。
【phase1|検討度=低】
社内担当者が比較検討する商品やサービスをピックアップしている
【phase2|検討度=中】
社内担当者の中で良さそうなものをいくつか絞り込み上司に報告
【phase3|検討度=高】
社内としてサービスを選定し、社内稟議を通す
上記のように、リードタイムの中で見込み顧客は徐々に検討度を上げながら、最終的な商品やサービスを決定します。コンテンツを用意する際にはこの検討度に沿った適切なコンテンツを用意することが重要です。
例えば、下記のようなコンテンツが必要になります。
このように、検討度を意識してコンテンツを用意することを意識してみてください。
今回はBtoBのWebサイトとBtoCのWebサイトの違いと、BtoBサイト制作のポイントをご紹介しました。いろいろとお伝えしましたが、最後にお伝えしておきたいのは、「Webサイトの正解は1つではない」ということです。
私がディレクターとしてWebサイト制作を進めるなかでも、「このタイプのWebサイトなら、一般的にこうした方がいい」という固定概念に囚われてしまうことが多々あります。
例えば、BtoBのWebサイトを制作する際には、BtoB向けサイトに有効といわれている下記のような施策を、疑いもなくWebサイト制作へ反映してしまいがちです。
そこで重要なのが「本当にこれで良いのか?」という疑いの目です。私自身も、常にこの視点を持ちながらプロジェクトを進めるように意識しています。そうすると、例えば下記のようにより良い施策を思いついたり、一度踏みとどまったりすることができるようになります。
同じBtoB向けの商品やサービスだとしても、企業としての考え方や、提供する商品・サービスもすべて異なります。そのため、Webサイトの正解もすべて異なるのは自然なことです。キオミルでは制作するWebサイトごとに丁寧にヒアリングをして、最も効果が高いコンテンツやデザイン、導線設計をご提案しています。
BtoBサイトを制作するときは、本記事でご紹介したポイントもあくまで一般的な内容として参考にしていただきつつ、「自社のサービスや商品に最適な形は何か」という視点を大切にしてみてくださいね。
この記事の執筆者
橋本 祐典
1996年生まれ。島根県松江市出身。0から何かを創る仕事がしたいと考え、その中でも身近なWebに興味をもちこの世界へ。Web関連会社での経験を経てキオミルに入社。業務の中で特に意識していることは「サイト制作の目的や課題の明確化」と「社内メンバーとの円滑な連携」。趣味はドライブやいろんな車を見ること。
この記事の編集者
水島 なぎ
1985年生まれ。福井県出身。「書く・編む・正す ことばのよろず屋」を掲げる、フリーランスのライター・編集者・校正者。実用書系出版社の企画編集者として培った編集スキルやディレクションスキルを生かし、紙媒体やWebなど幅広い分野で活動中。正しい日本語、読みやすい日本語、誤解されにくい日本語への提案が得意。
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