デザイン 仕事術

数字を作れるデザイナーになる

2023.06.14

難波 葵

難波 葵

こんにちは。キオミルでデザイナー/ディレクターをしている難波です。昨年の5月に入社してから1年が経ちました。

もともとWebに関わる仕事をしていましたが、制作会社での仕事はキオミルが初めてでした。そのため戸惑いの連続で、たくさん悩み、転びまくりながら走ってきました。「苦しい」と感じていた時間と、「楽しい」と感じていた時間を比較すると、おそらく前者の方が圧倒的に長かった1年だったようにも思います。

しかし、「仕事楽しい?」と聞かれると、迷わず「楽しいです」と答えてきました。私は今のこの仕事が大好きで、これから挑戦したいこともたくさん思い描いています。

やりたいことや得たいスキルを具体的に挙げ出すとキリがありませんが、それらの先に明確に思い描いているデザイナー像が1つあります。「数字を作れるデザイナー」です。

数字というのは、直接的に言えばお金、つまり売上です。

本記事では私の1年の葛藤や学びを振り返りながら、数字を作るとはどういうことか、そのために必要なスタンスは何か、そして数字を追うことのメリットについてお伝えします。Web制作業界2年目の私だからこそ伝えられる経験や考えを、等身大で語りたいと思います。

同じように受託制作の仕事の難しさに悩んでいる方、自身のキャリアを考える上で目指すものがなくモヤモヤを抱えている方、もっと仕事を楽しみたいと思っている方が前に進むきっかけとなれば嬉しいです!

1年目はとにかく時間との闘いだった

1年目は自分のスキル不足を痛感する経験の連続でした。

  • デザインを提出してもなかなかOKがもらえない。終わらないフィードバック。
  • 与えられた時間の中でアイデアをまとめられない。間に合わない。
  • 自分のデザインを自分でも好きになれず自信を持って語れない。
  • あらゆるオーダーをもらっても引き出しがなく表現が一辺倒になってしまう。
  • 世の中に溢れる素敵なデザインと自分のデザインを比べては落ち込む。

新しい業界に入る上で苦戦する覚悟は持っていたつもりでしたが、その覚悟があっても落ち込むことがたくさんありました。現在31歳。制作業界ではひよっこでも社会人経験はあり、「できない自分」を突きつけられ続ける日々は、ちっぽけでしょうもないプライドとの闘いでもありました(笑)

その中でも特に私を苦しめたのは「時間」です。

「時間さえあれば」は通用しない

「もう少し時間があれば」。皆さんも思ったことがあるのではないでしょうか?

せめてあと1日あればもう少しブラッシュアップできるのに!1週間使えればもっと作り込めるのに!時間が足りない!時間さえあれば!

しかし、仕事には当然、納期があります。「時間さえあればもっとできるんです」は通用しません。時間のせいにしているだけでは、この業界でのスキルアップは難しいとも感じています。私たちは与えられた時間の中で制作し、その制作物を通してクライアントの課題解決をしなければいけません。自分が納得できるものを追い求めるスタンス自体は良いことですが、個人の納得感や満足度というものさしだけで考えてはいけないのです。「プロジェクト全体の中でデザインを担当している」という自身の立ち位置を認識しながら、チームの一員として動けるバランス感覚も非常に重要です。

納品までのバトンリレーの中での自分の立ち位置を考える

もちろん、明らかに無謀な納期を押し付けられていようと、徹夜して体調を崩してでも作りきるべきだ!という話ではありません。非現実的な納期を提示された場合には、スケジュール調整を依頼するようにしてくださいね。キオミルでは、社長やディレクターから「絶対にここまでにやって」と一方的に納期を押し付けられることはなく、プロジェクト発足時やタスク設定時に相談しながらスケジュールを決めています。あくまで、チームでしっかり相談できていて、現実的で健全な納期が設定されている前提のもとお話ししています。

納期が設定されている意味を考える

そもそも、納期を守ることはなぜ大切なのでしょうか。クライアントから「5月中に公開してほしい」と指示があったからでしょうか。交わした約束を守るというのは仕事において当然のことですが、納期を守る意味はそれだけではありません。

「数字を作る」話の前談として、売上と納期についてのお話をします。私たちは、クライアントからWebサイトを通して解決したい課題についてご相談をいただきます。そして、ご提案した解決策にご期待いただいた結果、お仕事をしています。クライアントは課題解決のためにお金を支払い、私たちはそれに自分たちの技術やノウハウで応えているのです。

クライアントにお支払いいただく金額には算出根拠があります。プロジェクトの難易度や制作のボリューム、プロジェクトマネジメントの工数、撮影などで発生する外注費、そして私たちデザイナーやエンジニアの作業工数など。

なかでも、私たちデザイナーが数字の面で特に意識すべきはこの「作業工数」です。

物で考えると分かりやすいでしょう。例えば、材料費や制作にかかる時間などを計算して、1,000円で作れるアクセサリーを3,000円で販売するとします。しかし、当初よりこだわりたくなったので、1ヶ月かけてとっておきのアクセサリーを1つ作りました。とても可愛いものができて、お客様も大喜びです。でも、制作に1ヶ月かけたため、1ヶ月で3,000円のアクセサリーを1つだけ売って終わりました。一生懸命作って可愛い作品ができて喜んでもらえたけれど、これでは明日の飲み会も行けません!「採算が合わない」と思うでしょう。

これが、与えられた時間で作らなければいけないと書いた理由です。要するに、仕事はボランティアではないということです。趣味の創作ではなく、仕事としてデザインをしている以上、こういったコスト感覚は常に持っておく必要があります。
「5月中に公開したい」と言っていたクライアントから「6月中でもよくなった」と言われたからといって、「作業に充てられる時間が1ヶ月増えた!」と、のんびり制作してよいことにはなりませんよね。

時間を味方にして価値を生む

コストコスト、時間時間……そんなことばかり言われたらプレッシャーだと感じる人もいるかもしれません。
たしかにここまでは、「数字を作れるデザイナー」というよりは「数字への意識があるデザイナー」という文脈でのお話であり、「〜しなければならない」という窮屈なお話が多くなってしまいました。

「同じ悩みを持つ人が前を向くきっかけになれば、と冒頭で言ってたくせに!つらいわ!」と思っている方、ごめんなさい。閉じるボタンを押さないでください。

ここからは、「数字を作れるデザイナー」になるための前向きなお話をしていきます。私は、「〜しなければいけない」というプレッシャーからではなく、自分が仕事を楽しみたいというポジティブな理由で「数字を作るのだ」という考え方を選択しています。

まずは、与えられた時間で作れるようになること。できるまでやるのではなく、決められた時間の中での時間配分を意識する必要があります。ひとりの力で難しいときには、先輩や同僚の力をどんどん借りればよいのです。そのように周囲を「うまく使う」こともしながら、とにかく時間内で作りきることが第一歩です。
慣れてきたら、その時間配分をさらにコントロールし、プラスの提案をしたり、より良いものにブラッシュアップしたりするための「攻め」の時間を作れるようになる。こうすることで、「〜しなければならない」だらけの苦しい制作を少しずつ抜けることができます。



時間をコントロールし「攻める」時間を作る

デザイナーが作れる「数字」は「次にいただける期待」

「数字=売上を作る」という書き方をしていますが、デザイナーも営業活動に参加するべきだということではありません。会社や部署の体制によるので一概には言えませんが、デザイナーの仕事はデザインをすることなので、良いものを作り上げることに時間を使い、その得意領域に存分にパワーを注げることが一番だと思います。

デザイン業務は基本的に、すでにご発注をいただいたものを作るというオーダーメイドの動き方です。その中で私たちデザイナーが作れる数字というのは、直近の直接的な売上ではなく、今後いただける新たな期待です。私たちのデザインやアイデア次第で、追加のご依頼や別プロジェクトのご相談、すなわちリピートに繋がるかもしれないのです。デザインを通して新たな価値を生み出せるデザイナーこそ、私が考える「数字を作れるデザイナー」です。

ここからは、私が「数字を作れるデザイナー」になるために大切にしているスタンスを2つご紹介します。

①ディレクター(あるいは営業担当者)が闘う材料をともに考える

ディレクターは、フェーズごとにクライアントにヒアリングをしたり、認識のすり合わせをしながらプロジェクトを進行しています。その中で、私たちはデザインを任されます。

「数字を作る」というマインドのもとで私が大切にしているのは、ディレクターから指示を受けて動く作業員になるのではなく、共に満足度向上を目指すスタンスです。指示を読み、デザインで1つ1つ形にしながらも、常に「プラスアルファの提案ができないか?」と考えています。実際に、「こういう指示になっているけどこちらの方がいいのでは?」と別の提案をすることもあります。

提案するためには、ディレクターとたくさん会話する必要があります。私たちはデザインフェーズでしか関わりませんが、ディレクターはプロジェクトのキックオフから納品までクライアントを導く舵取り役、プロジェクトリーダーです。クライアントとの接点も多いため、デザインでしか関わらない自分よりもプロジェクトの全貌が見えている存在です。
だから、 疑問に思ったことはすぐにディレクターに聞きます。「こうした方がいいよね?」と思ったら、まずはディレクターに提案して判断してもらいます。このようにたくさん会話しながら、クライアントの要望からブレないプラスアルファの提案を”ともに”目指します。

「指示通りにはやらないぞ!」と張り切って提案した結果、クライアントの期待を超えるアイデアに仕上がり喜んでいただけるのか、「いやいやオーダーが反映されてないじゃん……」とガッカリされてしまうのか。その鍵を握るのは、ディレクターとのコミュニュケーションの量や質ではないでしょうか。大切なのは、指示通りにやるか否かではなく、受け身にならず自分の頭で考えられるかどうかです。

徹底的に考え最善の提案をしてともに闘った結果、ディレクターから「お客様喜んでいましたよ」と報告を受けた時はとても嬉しいものです!

②デザインで商談化のきっかけを作る

①で触れたマインドに含まれる話ですが、デザイン表現が得意な私たちはデザインで人の役に立つことができます。自分のデザインに対して、お客様から以下のようなお声をいただけるかもしれません。

  • 先日出していただいたデザインが気に入りました!実は別サイトのリニューアルも考えていまして、同じようなトンマナでそちらのリニューアルもお願いできますか?
  • こういうイラスト表現、良いですね!今まで写真しかなく分かりづらかったので助かります。実は展示会でもこのイラストを使いたくて、ポスターやパンフレットも一緒に作ってほしいです。
  • お願いした採用サイトのリニューアルで、デザインがガラッと変わり、採用ブランディングもうまく進み始めました。デザインって大事ですね。ぜひ来年度のリニューアルもお願いします。

直接お客様に提案してご発注いただくことはなくとも、自分のデザインが数字を作るきっかけとなるのです。

提案→新しい期待→次のご依頼→提案…のサイクルを作る

採用されるかはさておき、クライアントのことを考えてした提案が迷惑だと思われることはまずありません。たくさん作って、たくさん提案して、たくさん喜んでもらいましょう!

受託制作のしんどさを楽しさに変えよう

何をモチベーションに動くかは人それぞれです。数字のことなんか気にせず、とことん制作に没頭して良いものを作り、結果的に喜んでいただいているという方もいると思います。私は法人営業からキャリアチェンジでこの業界に入って来たので、数字ベースで考えるのが一番取り組みやすいという面もあるでしょう。

繰り返しになりますが、今回の記事で伝えたいのは「仕事なんだからデザイナーも売上を意識しなさい!」という「すべき論」ではありません。数字を意識することで私たちデザイナーは仕事をもっと楽しむことができるのでは?という、ひとつの考え方をご提案したいのです。

受託制作のつらいところ

「もっと楽しむことができる」と書いたのは、私自身が「楽しくない」と感じてしまうシーンがあり、皆さんもきっと似た経験があるだろうと思ったからです。

私の「非デザイナー時代」の経験について少し触れさせてください。私は前職では法人営業をしており、わりと営業スタイルが自由な会社に勤めていました。もともとデザインに興味があった私は、オリジナルのチラシを作ってみたり(しかもPowerPointで)、自社のサイトの中に特設ページを作り担当クライアントにメールマガジンで配信したりしていました。今思うと、かなり好き勝手に動かせてもらっていました(笑)

当時やっていたのはクライアントのためのデザインではなく自分の仕事のためのデザインなので、社内で最低限のチェックは受けるものの、そこまで細かく「あぁしろこうしろ」と言われることはありませんでした。作ってみては出して、改良してまた作って……と思うままに動いていました。「これが良い!」と思うものを、高揚感そのままに世に出すことができるわけですから、それはそれは楽しかったです。

その後、転職してWeb業界に入り、デザインでもがいているとき、「以前は今よりデザインが下手だったのに楽しくのびのびデザインしていたし、なぜか今より自信に満ち溢れていたな(笑)」と当時のことを思い出すことがあります。何が変わったかは単純で、当時の私はデザイナーではなく、今はデザイナー(プロ)というだけのことです。

もちろん営業をしながら自由にデザインしていたころも、かけたコストに対する成果は問われましたが、「デザイン」に対しては特に期待はされていませんでした。素人っぽくてもいいし、ダメだったらまた変えればいい。なんなら、効果がないと思ったらやめてもよかったのですから。

しかし、今行っているのは受託制作です。受託制作においては、私が作りたいものを作るのではなく、クライアントが作りたいもの=クライアントの課題を解決できるものを作ります。企業や商品の顔となるページなのでデザインへの期待も大きく、「ダメだったら変えればいいので、いったんこれで公開しますね」なんてわけにもいきません。そして、あらゆる制約の中で仕上げなければいけません。決められた予算、納期、クライアントの特性、プロジェクトの特性……その数々の制約が、作ることが好きな私たちに「楽しくない」と感じさせることもあるのではないでしょうか。

「指摘」を受ける機会が多いと受け身になりがち

私たちは自分達の作ったものを日々評価されます。ときには厳しい声も受け取りますよね。

フィードバックをもらうのは悪いことではない、自分を否定されているわけではなく意見をもらっているだけ、擦り合わせながら軌道修正して仕上げていくだけ、落ち込むことではない……。頭ではそう分かっていても、自分が作ったデザインにたくさんの指摘が入り返ってくるのを目にすると、自信もなくなるし落ち込んでしまいます。皆さんも経験があるのではないでしょうか?

私自身も、受託制作を始めたばかりのころは、この感情への向き合い方に戸惑いました。経験が浅いうちはどうしても指摘を受ける回数も多くなります。それを繰り返すうちに、「ディレクターからOKが出るだろうか」「こういう見せ方がいいと思うけど、このクライアントは好まないかも」「余計なことしない方がいいだろうか」という思考が脳を占領し始めます。結果として“否定されないためのデザイン”を目指し、受け身になってしまいがちです。

以前、うえはらけいたさんの「ダメ出しの悪魔」という記事(漫画)を読み、感銘を受けました。この漫画ではコピーライターの方の葛藤が描かれています。ペンを取ると「ありがちなアイデア」「つまらない」という声が聞こえてくる気がして手が動かせなくなる、という状況を「ダメ出しの悪魔に取り憑かれる」と表現されており、非常に共感しました。
https://note.com/keitauehara/n/nfb343baa9988

自己表現のための創作ではないので、相手に納得していただけるかどうかという視点はもちろん大事です。しかし、「それだけ」になってしまうと、良いものは生まれないとも思うのです。

創作することが好きでこの仕事についた私たちは、答えがない中で色々な表現を模索することが好きなはず。それなのに、目指すゴールが「とりあえず合格点をもらえるデザイン」であるのはあまりにも残念です。

実感しづらい成果は数字が教えてくれる

Web制作って明確な成果を実感しづらい業界ですよね。Webに限らず、課題を解決する仕事はすべてそうだと思います。サイトの納品時に喜んでいただけたとしても、本当にそのサイトやデザインが効果に繋がったのか、自分の制作物はお役に立てたのか、明確な答えはすぐには得られません。経験やノウハウをもとに、自分達ができるベストな提案をしたとしても「これで絶対にお問い合わせが増えますよ」なんて断言できることもありません。デザインやツールのトレンドの変化も激しい中で、日々迷いながら、1つ1つ期待に応えながら、「正解らしきもの」を自分達で定義づけながら進んでいます。

そんな中で明確に成果と捉えられるのは、やはり数字だと思います。もちろん数字がすべてではありません。ここまでお読みいただいた方は、「闇雲に営業をしてとにかく売上を追い求めろ!」という意味でお伝えしていないことはご理解いただけるはずです。

受け取る数字は「期待」です。良い仕事をすればまた期待してもらえます。デザインで関わったお客様からまた新しい依頼をいただけるということは、ひとつ誇れる成果と考えられます。
正解が分からないデザインの仕事で、向かう先が分からずもがいているならば、「目の前のクライアントから新しい相談がもらえること」を1つのゴールに設定して手を動かしてみるのはどうでしょうか?

「数字を作る」意識は、苦しいことも多い受託制作の仕事の中で迷子になった私たちに道を示してくれると私は考えています。

上流から関与したいなら数字を作れるデザイナーになろう

最後に、なぜ私が「数字を作れるデザイナー」になりたいのかを語りながら、数字を作るという考え方でデザイン業務に取り組むメリットをお伝えします。

課題定義から関わりたい私の肩書きは何か

突然ですが、私は細かに道筋を決められて具体的な指示のもと動くというのがとても嫌いです(笑)試行錯誤できる幅のない動き方には、魅力を感じられない性格なのだと思います。逆に、意図や目的だけ伝えるから好きにやってくれという丸投げスタイルが大好きです。

私と似た性格のデザイナーはおそらく、「やりたいのは間違いなくデザインだけど、私の目指す肩書きはデザイナーなのかな?」と迷ったことがあると思います。私は絶賛悩み中です。

今は「別に肩書きなんて何でもいいや」という考えに落ち着いていますが、おそらく「デザインだけでなくもっと上流から関わってみたい」という願望がその迷いを生じさせているのではないかと考えています。

デザインからの参加ではなくページ設計から関わりたい、クライアントへのヒアリングや課題定義から関わり、デザインに落とし込むまで一緒に走ってみたいということです。私は今、そういう動き方を目指して日々勉強しています。

クライアントの数字を作れるということ

少数精鋭チームであるキオミルでは、デザイナーとして新規提案に同行する機会や、クライアントに直接プレゼンできる機会がわりとあります。そのため、「上流見たいマン」の私の欲求は、実はすでにある程度満たされていています。

その中で感じるのは、デザインフェーズでしか関わらない案件と、課題抽出や設計といった上流から参加する案件とでは、見る視点や見える範囲が大きく変わってくるということです。かなり簡単にまとめると、下記のような違いがあります。

デザインだけに関与する場合に受け取る情報】
・今のWebサイトはデザインが古臭いので見た目も一新したい
・●●サービスと▲▲サービスはターゲットが異なるのでデザインでも見せ方を変えたい
・●●技術については写真では伝わらないのでイラストや図で表現したい

課題抽出や設計といった上流から参加する場合に受け取る情報】
・会社の売上が●●業界依存なのでほかの販路を見出したい
・新たに●●事業を展開する予定でこの事業の売上にはかなり期待している
・来年にはこのサービスを大きくリニューアルし、売上の柱として強化したい

上流から参加すると、デザインやWebサイトに対しての課題だけではなく、クライアントの組織課題や事業課題、会社としてのビジョンに至るまでお話を聞くことができます。クライアントにとってこのWebサイト制作やリニューアルがいかに大切なのかを強く認識させられます。

上流から関わるということは、Web制作に関する知識やデザイン提案力だけではなく、より深いクライアントの事業理解、課題解決力、提案力が求められるということ。今の私の感覚のまま、ただ形だけ上流に関わらせてもらえたところで、自分にできることは少ないと課題を感じています。

上流から関与したいと思うならば、クライアントが勝てる提案、クライアントの数字を作れるデザインへの意識がより強く求められます。

クライアントを勝たせるデザインができるということは、必然的に自社への貢献にもなるので、「数字を作る」へのこだわりは、自身のキャリアの可能性を大きく広げることに直結すると思っています。

さいごに

お客様にも会社にもたくさんほめられて、ハッピーな気持ちでデザインしよう!
色々と書いてきましたが、これが今回の記事で私が伝えたかったことです。

「数字を作る」という考え方は、おそらくデザイナー以外のあらゆる職種にも展開できる考え方だと思います。

今の自分が「数字を作れるデザイナー」を体現できているか、まだまだ自信はありません。しかし、目指すデザイナー像があるからこそ、日々の失敗やもどかしさも乗り越えられていると思っています。半年後、1年後に自分がこの記事を読み返すとき、どんなデザイナーになっていて何を感じるかと想像するとワクワクします。

あなたが目指すのはどのようなデザイナーでしょうか?この記事が、考えるきっかけや何かの気づきになれば嬉しいです。新しい業界に入り戸惑っている方、やりたいことを実現できずモヤモヤしている方、うまく行かず落ち込む日もあるとは思いますが、ともにデザインを楽しみながら頑張りましょうね!

ここまでお読みいただきありがとうございました。


この記事の執筆者

難波 葵

難波 葵

1992年生まれ。岐阜県出身。採用メディアの営業、事業会社でのWeb担当を経てキオミルに入社。様々な会社の事業やサービスを知り、それが伝わるビジュアルや文章を考えることに楽しさを感じたのがこの世界に入ったきっかけ。キオミルではディレクションから制作まで担当。好きなものは恐竜とモノづくり。

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