新型コロナウィルス感染拡大に伴う、私たちの方針
2020.04.13
椿坂 泰志
こんにちは。椿坂です。新型コロナウィルスの感染拡大が収まりませんね。
この記事を執筆している4月10日時点で東京の感染者数は1700人超。7日にはついに緊急事態宣言も発令されました。他国の状況を鑑みても数カ月はこの状況が続くと予想しています。(数カ月なんて甘いかもしれません。)
このような状況下で、政府や行政も様々な施策を打ち出しています。しかし、個人的な印象としては、政府と世間の感覚には乖離があるように見え、「やはり国は頼りにならない」という印象です。
私たちの業界への影響ですが、実のところ目立った影響はありません。事実、新型コロナウィルス拡大後も自社サイトから上場企業や勢いのあるSaas企業などから着実にリードを得ております。
おそらくこれは、企業の今年度の予算が既に定まっていた点と不景気の波がBtoCからBtoBへ遅れて波及する点が影響しているものと予想しています。
とは言え、本年度は消費減少から景気が悪化することは目に見えています。本年度の売上が悪ければ来年度の予算も削られる可能性も高くなるでしょう。従って、本年度の私たちはクライアントワークもさることながら、自社のマーケティング活動や体制を整えていく必要があると考えています。
キオミル株式会社は6月末決算のため、通常であれば7月頃と1月頃に方針共有を行います。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響を踏まえて、再度、スタッフに向けて方針の微調整や強調、共有が必要と判断しました。
方針共有は4月3日(金)にオンラインにて実施しました。この記事では先日メンバー間で共有した内容と補足事項をお取引先の皆さまと弊社メンバーに向けて書き留めておきたいと思います。
まずは私たちの状況から。
キオミルでは既に完全リモートワークを実施していますが、今後もメンバーの安全を最優先し、完全リモートワークを継続します。商談に関しても原則はzoom、hangout meetなどにてオンライン会議で対応します。
なお、期間は未定です。完全に安全が確保されるまではリモートワークを解除するする予定はありません。
実は私たちはコロナウィルスの報道が出た初期段階からリモートワークに切り替えてました。その後、しばらくしてスタッフから「会社で働きたい」という声が挙がったため、会社勤務とリモートを切り替えながら業務を行っていました。(会社で働きたいという声は経営者としては嬉しいです。ありがとう。)
しかし、通勤にはどうしても電車を用いることなります。不特定多数の人間と接触する電車通勤は感染リスクが高く、私たちのような零細企業は1人の感染で会社が致命傷を負いかねません。また、若年層の死亡ケースも発生してきています。これらを踏まえて、スタッフの安全を最優先とし、完全リモートへ切り替えました。
新型コロナウィルス発生当初は方々から「警戒し過ぎじゃないか?」と評価されておりました。しかし、完全リモートに切り替え後、爆発的に感染が広がったので、私の決断は間違いではなかったと思っています。今は警戒し過ぎることに越したことはありません。「何もなかったね」で終わればいいのです。
今回の新型コロナウィルスの拡大に伴い、様々な経営者とお話をさせていただきました。多くの経営者は方向転換や意思決定を迫られ、四苦八苦している様子です。
大きな転換ポイントとなっているリモートワークに関しても、素早くスイッチングしている企業もあれば、そうでない企業もあります。(もちろん店舗型ビジネスなど、業務上やむを得ない職場もあります。)
リモートワークへの切り替えに関して言えば「物理的な問題」「業務上の問題」の2点が障壁になっている印象でした。物理的な問題で言えば、オフィスでデスクトップPCを使用しているため、自宅にPC(データ)を持ち帰って業務を遂行できないといった問題。
業務上の問題に関しては、固定電話やFAXを主要な連絡手段として活用している、あるいは業務プロセスにアナログな要素があり、会社から離れられない、といった問題です。
これらの問題は非IT業界など避けられない職場もあるでしょう。しかし、少なくとも私たちのようなIT系企業の大半は該当しないはずです。
実際に私たちはすでに「今からリモートね」の一声で即座に切り替え可能な業務体制を構築できています。全スタッフノートPC&外部モニタ、データはクラウド上で管理・共有、コミュニケーションはslack、zoom、スマホで完結。紙、FAXは使わない。固定電話もほぼ使っていない。(IT企業からすればごく普通の体制です。)
これはまだ少人数の組織のため、実現できているという点もあるでしょうが、今後もあらゆる有事に備え、物理的にも業務的にも素早く方向転換ができる組織作りを継続していきます。
不景気、好景気問わず、基本的にキャッシュが枯渇しなければ会社は存続できます。コロナウィルス感染拡大に伴い、政府が積極的に融資を実施していますが、無暗に資金調達をしたところで延命措置に過ぎません。
企業自身でキャッシュを生み出せる具体的な仕組みを構築しなければ、たとえ融資を受けたところで、遅かれ早かれ市場からの退場を余儀なくされるでしょう。
ありがたいことにキオミルは現在も多忙な状態です。新規リードも着実に獲得しています。また、小規模な組織のため、燃費も比較的良い会社です。いまのところキャッシュフローも円滑で、新型コロナウィルスの影響でキャッシュが枯渇するようなことはありません。仮に売上が0になったとしても当分は持ちこたえられる体力もあります。
強いて懸念事項を挙げるならば、売上を椿坂個人に依存している点です。現在の会社の売上は、椿坂個人の繋がりによる紹介案件やリピート案件も多数含まれています。
この状態は効率的である一方で、ややリスキーな状態と言えます。会社組織は売上に限らず、業務内容も含めて、属人化すればするほど、想定外の出来事に対応できなくなります。
もちろん、創業間もない零細企業のトップが最前線で戦う点は仕方ないと思っています。しかし、本年度は確実視されている不景気への備えと、リスク分散の意味から、より組織的にマーケティング活動を実施していきます。
なお、具体的な施策までは記しませんが、既に複数の施策が進行中です。4月中には施策のひとつが実施される予定です。
1点だけ明確にお伝えしておきますと、ご覧頂いているキオミルブログをきちんと運用することはココに宣言しておきます。これまでクライアントワークに付きっ切りで絶望的な運用状態となっておりました。
今後は各メンバーが日々の学びを投稿していきます。もし更新されていなかったらぜひ冷やかしを入れてください。
今後、コロナウィルスの影響でBtoB業界はもちろん、あらゆる業界のマーケティング構造に変化が生じます。
まず基本的にオフライン上の活動は大きく制限されます。飛び込みやルート営業、DM、テレアポといった営業マン自身が見込顧客を創出する活動が期待できなくなります。(いわゆるSQL活動は厳しくなるはずです。)
また、見込顧客獲得後も課題は残ります。SaaSなどの低単価商材は見込顧客獲得から受注までオンラインで完結できる場合もあるでしょう。しかし、製造業や人材支援、システム開発といったソリューション型やパッケージ型のビジネスは、事業インパクトの大きな高単価商材となります。このようなビジネスが最終クロージングを含めて対面営業できない点は大きなボトルネックになるでしょう。
とはいえ、この問題については買い手売り手含めて誰も最適解を持っていません。見込顧客獲得後、どのようにして受注するかは走りながら考えるしかありません。
ひとつ言えるのは、新型コロナウィルスの感染拡大以前から最終クロージング以外はオンラインによる活動で貢献できる領域だったということです。今後も対面営業の課題は残りますが、見込顧客を効率よく創出できるデマンドセンターを持つことは生き残りの強力な武器になるはずです。
そして、デマンドセンター構築には私たちのようなWeb制作やマーケティング支援を得意とする会社のノウハウが活きます。今後はより一層企業の生き残りのために私たちが汗をかかなければならないと考えます。
コロナウィルスに関する報道やSNSは嫌というほど見ましたが、人々の発言や行動にはいくつかのパターンがあるように感じました。
これはどの組織でも該当する構図なように思います。文句やネガティブな発言が多い人。多数派に従う主体性の欠けた人。ポジティブで能動的な人。1は論外ですが、2のような主体性に欠けた人物が組織の大多数を占めると無気力な組織になります。
現在の情勢、組織の状況などを踏まえて、キオミルとしては3の考え方を評価したいと改めて明記します。
与えられた仕事を適切に処理する人を評価しないわけではなりませんが、前述のようにこの1年は来年度に向けて勝負の年になります。
もちろん、ビジネスパーソンには与えられた業務を適切に処理することが得意な人もいれば、自ら課題を創出し、解決に取り組むことが得意な人もいます。これらは全く異なるタイプの人間ですので、良い悪いで判断することは適切ではないと思います。
しかし、現状としては、私が一人で経営、マーケティング、ディレクション、営業、会計を担っている状態です。当然ながら私一人が陣頭指揮を執るには限界があり、偏りがあるのも実情です。このような状況下では、自ら課題を創出し、解決できる人間の存在は大変貴重であり、そして心強いのです。
そして、なにより、組織が小規模であるうちに主体性のあるメンバーでチームを構築したいという思いもあります。先に述べたように主体性の欠けた人間が組織の過半数を占めると無気力な組織になってしまいます。
また、もともとキオミルには起業当初から掲げているクレドがあります。その中でも能動性、主体性について言及しており、もともと重要視している要素でもあります。つまり、評価基準が変わったというよりは、もともと会社としての大切にしている価値観がコロナウィルス感染拡大に伴って、鮮明になったというイメージです。
方針共有は以上です。実はリモートワーク以外は平時の際の方針となんら変化はありませんし、特段目新しいこともやりません。焦って飛び道具に頼るつもりもありません。今後もやるべきことを淡々と実施し、スリムで筋肉質な組織を構築していくだけです。
みなさん。力を合わせてこの苦境を乗り越えましょう。
この記事の執筆者
椿坂 泰志
1988年生まれ。福井県出身。キオミル株式会社代表取締役。大学卒業後に都内Web制作会社に入社。2018年の退職までに300社以上のWebサイトをディレクション。2018年9月にキオミル株式会社を設立。得意領域はBtoBマーケティング、Webディレクション、プロジェクトマネジメント、法人営業、組織マネジメント。
「小さくても強くて優しい組織」を目指して、苦悩しつつも前向きに会社を経営中。淡水魚とサメと旅行が好き。
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